
M&A(買手)
M&A(売手)
後継者不在で
事業承継に困っていた
会社を引き受け、子会社化
事業の多角化を志向していた買手企業が事業の引継ぎに名乗りを上げ、子会社化。プロパー人材を活かす経営で、業績は堅調に伸び、買手企業グループの稼ぎ頭に。
CASE STUDY 実際の事例
物流(運送)業を営むA社は、事業拡大のため、周辺事業への進出を検討していました。
一方、オフィス内装工事を営むB社は、オーナー社長が高齢でありながら後継者が不在で、第三者への事業承継(売却)を模索していました。
そんな中、金融機関を通じて、B社の事業を引き継がないかとの話がA社に持ち込まれました。

SOLUTION 弊社による解決
話を持ち込んだ金融機関は売手(B社)側に付くというので、買手となるA社のFA(財務アドバイザー)として弊社が起用されました。
弊社は、通常FAとして行う全体の進捗管理、企業価値評価、交渉サポートの他、デューデリジェンスも担当しました。本件のデューデリジェンスにおいては、財務面の調査にとどまらず、人事面、特に事業運営上のキーマンが誰かという点にフォーカスが当てられました。
そして、今回のオーナーチェンジに伴い、キーマンや従業員たちがどのような反応を示すか、オーナーチェンジ後も組織として維持されるためには何が必要かについて、売手のオーナー社長と膝詰めの協議を行いました。
その結果、キーマンとされた2名の幹部社員の他の従業員への影響力が思いのほか大きく、この2名のモチベーション・自主性を上手く引き出すことが、事業承継を成功に導く鍵であると結論付けられました。
その後、取引は成立し、A社はB社を子会社化しますが、A社からは非常勤取締役を1名派遣するにとどめ、キーマン2名を取締役に抜擢する内部昇格人事を行いました。
調査段階での予想通り、2人のキーマンは大変なやる気を見せ、リーダーシップを発揮し業績は伸び、今ではA社グループの中での稼ぎ頭となっています。
運送業と内装工事業の相性も良く、少なからずシナジーが生まれていることは言うまでもありません。
POINT 気をつけたいポイント
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人材の調査は重要
中小企業はリソース(経営資源)も限られ、特に、重要な社員に辞められることが痛手となりかねません。調査段階でこうしたキーマンを特定すること、キーマンを引き留め、やる気を出させるには何が必要かを真剣に検討する必要があります。 -
プロパー人材を大事にする
キーマンもそうですが、引き継いだ一般の従業員さんたちはオーナーチェンジで皆不安を感じています。新しいオーナー(買手企業)を恐れています。引き継いだら直ぐに全社員に対して新オーナーのメッセージを発したり、個別に面談するなどのコミュニケーションが大事です。 -
事業引継ぎ(買収)後のガバナンスの在り方はケース・バイ・ケース
本件は、A社から派遣された取締役は1名のみにとどまり。B社に自治が保たれて成功した例ですが、逆に、買手(新オーナー)のグリップを強めることにより企業価値が向上する例もあります。どのようなガバナンスが適しているか、事前の調査で見極める必要があります。